合わせて16にょっき


先日、出張先から自宅マンションまでやっとのことで戻ってきたときのことです。




ポストを確認してエレベーターの前に行くと、可愛らしいポンチョを着た2歳ぐらいの小さな女の子が、奥にある、駐輪場へと繋がる扉を必死に開けようとしていました。




?!




「どこ行くん?!」と思わず声をかけると、「どこもいかない!!」と大きな声で返してくるポンチョちゃん。



嘘やん。



私「おかーさんどこ行ったん?」
ポ「ポスト!」


あ、さっきすれ違った方か。
おてんばな子だ。
自由だな。




エレベーターのボタンを押して再び目を向けると、ポンチョちゃんは凝りもせず、再びドアを体全体を使って必死に開けようとしていました。




私「だから?!どこ行くん?!」
ポ「どこも!いかない!!!」




全身で嘘をついていました。
押しながら答えられても。



ポンチョちゃんは、腕や体全体だけでなく、もはや顔まで使ってガラス扉を押していました。

そこまで?
扉の向こうに何が?
私には自転車しか見えない。




絶対嘘やん!!などと言っていると、やっとお母様らしき方が。




ひと安心。
挨拶を交わして、3人でエレベーターに乗り込みます。




上昇し始めてすぐにポンチョちゃんを見下ろしてみると、ぷるぷると微かに震えていたので、
「今日は寒いねえ」と話しかけたのですが、「ね」のあたりで食い気味に「さむくないっっ!」と返されました。



震えてたやん。



私「寒くないん?」
ポ「さむくないっっ!!!」




ならいいけど...と返そうとしたところ、あまり納得していない私の顔を見たためか、自身が着ているポンチョのボタンの間から突然、右手首をにゅにゅにゅっと出して「さむくないっ!!にょきにょきっ!にょきにょきっっ!!」と私を見つめながら力強く唱え始めました。




お母様もいらっしゃったので何とか堪えようとしたのですが、右手首をサボることもなく3回繰り返された時点で、ついにふきました。




居住階にたどり着くまでに全力で8回繰り返されたそれと、「なんかwwww生えてきたwwwwwwww」と爆笑する私、そしてもはやいつものことなのか、「もう..本当にやめて...」と呆れた顔で止めながらも、自身も少し笑ってしまっているお母様。




エレベーターを降りるときには、一日の疲れがほとんど消えていました。




かわいい。
子供の何がかわいいって、何にもできなさそうだけれど、何でもできそうにも見えるところが、かわいいです。





帰宅後、Twitterにこれらの出来事を記したところ、それを見た先輩が返信を寄越してくれました。




「あたしともにょきにょきしよう?」





全力で意味を探った結果、ランチのお誘いでした。




最高にわかりにくいです。