メトロにて
先日電車で立って本を読んでいたところ、目の前に座っていたナイジェリア(あたり)のハンサムな男性が、まるでグラマラスな女性を前にしているかのような熱い視線で、私の持つボルドーのブックカバーを見つめ続けていました。
本に集中していても気が付くほどの、なんとも露骨な眼差しでした。
凄い。外国の男性って目からこんなビーム出せるんや。凄い。
思わずほんの数秒ほど観察してしまったとき、ついにナイジェリアさんは何か言おうと口を開きかけたのですが、その瞬間に自身の降りる駅に到着したようで、名残惜しそうにブックカバーを見つめながら電車を降りていきました。
私は再び本に向かいながら、やっぱ買って良かったなー。なんて感じて、なんだか嬉しくなっていました。
私ではなく、ブックカバーがナンパされかけたという事実に気が付くまでは。
あの人。私のこと一切見てなかったな。
女としてどうな、いややめとこう。
村上龍さんの「空港にて」を読んでいます。